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毎日使っている入れ歯がなんとなく合わなくてかみにくい、違和感があるなど、入れ歯に関する不具合を感じている方もいるかもしれません。
今回は、入れ歯が合わなくなってしまう原因と、その対処方法についてご説明していきます。
【入れ歯はどのように作るのか?】
何かしらの理由で歯を失っても、見た目を美しく保って(審美性)、食事などでかむ機能などを回復されるために、入れ歯(義歯)治療という選択肢があります。
入れ歯を作成するためにはいろんな手順があります。
まずは、歯科医師による精密な診査と診断が必要です。その後、その診断に基づいて、型取りをして入れ歯を作成していきます。しかし、その時点で入れ歯がピッタリ合うわけではなく、患者さんの口の中でかみ合わせをチェックしたり、強く当たって痛いところがないかなど、細かくチェックしていく必要があります。見た目にも調和しているかを確認していきます。
その後にしばらく使用していただいて不具合がないかも用心深く確認していく作業が必要です。
このように、患者さん一人ひとりの口の中の状態にぴったり合うものを、一つひとつオーダーメイドで作っていき、それを調整して完成となるのです。
このように精密に口の中を再現して、それに合わせた入れ歯を作るため、ある程度の時間が経つと入れ歯が合わなくなってくることがあります。
では、なぜぴったりと合っていた入れ歯が合わなくなってしまうのでしょうか?
【入れ歯が合わなくなる理由】
①歯を支えている顎の骨の量が減ってしまう
あまり一般的には知られていないことかもしれませんが、実は、人の口の中は常に変化していて形が変わっているのです。特に、高齢になってきたり、糖尿病などの全身疾患をお持ちの場合は、骨が痩せてきてしまいます。これは、骨の新陳代謝のバランスが崩れていくことによります。
では、骨が減ってくるとどうなるでしょう。
今まで違和感なく使えていた入れ歯の調子が悪くなると感じる方が多くなります。それは、入れ歯と歯周組織の間に隙間ができてしまい、入れ歯がガタつくなどの症状が出て、合わなくなってしまいます。
②摩耗することにより、入れ歯がすり減ってしまった
食べものをかんだりすりつぶしたりするたびに、入れ歯は少しずつ摩耗していきます。
それは短い期間では気付かないくらい少しずつですが、長い期間、毎日入れ歯を使っていると、そのすり減りが顕著になり、かみ合わせが合わなくなるなど不具合が生じてきます。
その頃には、見た目にも歯がすり減ってきたのが分かるでしょう。
③汚れが付くことによって、入れ歯が変形してしまった
入れ歯は自分の歯ではないからとお手入れをしないでおくと歯垢(プラーク)が付着し、やがてそれが歯石になってくっついてしまいます。特に、入れ歯の粘膜と接する部分(ピンク色の部分で、床と呼ばれる部分)に歯石がついてしまうと、それが原因で入れ歯が変形し、合わなくなってしまいます。また毎日の入れ歯のお手入れを放置してしまうと、プラーク内の細菌が増殖し入れ歯の素材を変質させ、変形につながることもあります。
自分の歯ではなくても、入れ歯も自分の天然の歯のように清掃し、メンテナンスを続けることが大事になってきます。
【合わない入れ歯を使い続けるとどうなる?】
入れ歯が合わなくなったにも関わらず「少し違和感はあるけれど、まだ使えるから」「新しいものにするにはもったいたい」「歯医者にいくのが面倒だ」などの理由で、合わない入れ歯を使い続ける方がいらっしゃいます。このように入れ歯が合わないまま使用を続けるのは、本当におすすめしません。
合わなくなった入れ歯を使い続けることで、以下のようなことが起こってくる可能性があります。
・発音しにくくなり、話しにくくなる
・会話で聞き取ってもらえないことが増える
・口の中に痛みが生じる
・頭痛がする
・入れ歯が外れやすくなる
・食事の時にかみにくくなる
・お口の周りにしわができる
・肩こりが生じる
【入れ歯が合わない時はどうしたらいのか?】
①入れ歯を清潔で、きれいな状態にする
入れ歯が合わなくなる原因のひとつに「入れ歯の汚れ」があります。
特に毎日のお手入れをきちんとされていなかった方などは、入れ歯専用のブラシや洗浄剤などを使って、徹底的にきれいな状態にしてみましょう。
ここで気をつけなければならないことは、過度に力を入れてゴシゴシと磨くのではなく、丁寧に磨くことを心がけましょう。力いっぱい磨いてしまうと表面に傷がつきますし、最悪の場合は破れたりと破損につながってしまいます。
③歯科医院で入れ歯のチェックをする
入れ歯を作ったかかりつけ医は、もともとの入れ歯の状態をよく分かっています。
ですので、入れ歯を今の口の中に入れ、どのような不具合があってかみにくいのか、合っていないのかをチェックすることで、入れ歯の状態が良くなる可能性があります。
必要に応じて調整や修理を行うと、また以前のようにピッタリと合う入れ歯になるかもしれませんし、あまりに合っていない場合は作り直す場合もあるでしょう。
どちらにせよ、きちんと一度歯科医師に診てもらい、入れ歯の状態を確認してもらうことが1番の問題解決方法です。
③義歯安定剤(入れ歯安定剤)を使用する
「入れ歯は毎日しているので汚れが原因ではないから」と、ご自分で市販の入れ歯安定剤を使用して調整される方も多いと思います。ドラッグストアなどでもテープタイプ、粉末タイプ、クリーム(ペースト)タイプなど、さまざまな状態の入れ歯安定剤が売られています。
一時的には症状が改善するかもしれませんが、長期的にみるとあまりおすすめはしません。
根本的にどのように合ってないかをきちんと見極めていかないと、ずっと痛みや違和感が続くことになってしまいます。
かかりつけの医院で入れ歯の調整をしてもらうことが、結局は1番早く、入れ歯が合うことにつながるでしょう。
【OCEAN歯科からのメッセージ】
このように、入れ歯は一度作ったからといって、その後は何もしなくてもずっとかめるものではありません。毎日のお手入れは必要ですし、自分が歳を重ねることで変化する口の中に合わせて調整していく必要もあります。
少しでも違和感があれば調整して、少しずつ合わせていくことができますので、お気軽にご相談ください。