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唾液といっしょに歯周病菌を飲みこむとどうなる?|OCEAN歯科クリニック|美浜区磯辺の検見川浜駅より徒歩1分のOCEAN歯科クリニック

唾液といっしょに歯周病菌を飲みこむとどうなる?


食べものはお口から胃を通り、小腸、大腸で栄養分を取り込み、排泄されます。口の中は唾液によって潤されていますので、食べものを飲み込むと胃や腸に唾液が一緒に流れていき、お口の中に生息する細菌もこれらとともに胃や腸内へと入り込みます。つまり、私たちは食べものを飲み込むときに唾液も一緒に飲み込み続けています。

この唾液の中に歯周病菌がいたらどうなるでしょうか?

最近の研究によって、口の中の環境が腸内環境にも関連があることが明らかになってきました。

今回は口の中の歯周病菌がだ液によって飲み込まれるとどうなるかを考えながら、お口の中の環境がいかに全身の健康に影響を与えるかについてご説明していきたいと思います。

【歯周病菌と腸内細菌の関係】

歯周病菌にはさまざまな種類がありますが、その1つにジンジバリス菌(P・g菌)というものがあります。

P・g菌…Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)

歯周ポケットの中や唾液の中にいます

口の中のどこかに歯周炎があると、P・g菌などの歯周病菌が常に存在することになります。それを食事のたびに、唾液と共に飲み込んでしまいます。

この細菌が腸に流れ込むと、腸内細菌叢(さまざまな腸内細菌で構成される腸内の環境、別名:腸内フローラ)がバランスを崩し、腸のバリア機能が低下し、血液の中には細菌が作り出す毒素量が増加することがわかっています。

腸は栄養を吸収するだけでなく、毒素も吸収してしまいます。そしてそれが血流に乗ってさまざまな臓器に少しずつ持続的な炎症を引き起こしていくのです。

歯周病菌は、飲み込んでも胃の中の胃酸で死なないのかと驚かれた人もいるかもしれませんが、残念ながら、歯周病菌は胃酸にも負けずに全身を巡ってしまいます。

このように、歯周病菌はお口の中の問題だけではなく、全身の健康に関与する可能性が高いものとして、ますます口の中の環境を清潔に保つことが注目され始めています。

 

【歯周病菌の全身への影響】

歯周病菌が食事や歯磨きのたびに歯ぐきの血管の中に入り込むと、炎症物質が血液の中に放出されます。細菌と炎症物質は血液によって全身をかけめぐり、口から遠く離れた心臓や腎臓、大腸などの重要臓器にも悪影響を及ぼします。中でも高脂血症や動脈硬化、糖尿病は歯周病菌の関与が深いといわれています。

歯周病由来の菌により、血管の中で炎症が起こると、それをきっかけとして血管の中の機能が低下してしまいます。このことによって血管に障害が起こったり、血管の壁に脂肪が沈着したり、さらに血液が固まることで血栓が作られてしまいます。これが動脈硬化や心臓発作、脳卒中のプロセスです。

このことからわかるように、歯周病は単に「歯ぐきが腫れる」「出血する」「歯が抜ける」といった、口の中の問題に留まりません。歯周病菌が原因となって引き起こされるさまざまな口の中の症状及び、歯周病が引き起こすと考えられる全身の健康状態の不具合を避けるため、歯周病の治療や予防が大切なのです。

日々、正しく口の中をケアしていくことが、腸内環境の改善につながります。

以上のことから、口腔内の環境を整え、歯周病菌が腸へ流入することを防ぐことは、腸内環境の健康維持や改善には外せない要素のひとつであることが分かります。歯周病菌は歯周ポケットに歯垢(プラーク)の中に溜まって繁殖するので、日々の正しいブラッシング(歯と歯ぐきの間を丁寧に磨く)で歯垢を溜めないことが大切です。歯周病菌を体内に入れないことにより、腸内細菌叢をきれいに保つことができ、他の臓器に炎症を引き起こすことが減少します。

このことからも、歯みがきによるご自宅でのケア、必要に応じた歯科検診でのクリーニングなど日常的な口腔内ケアが口腔内環境を整え、腸内環境をも整えることとなり、全身的な病気の予防にもつながると考えられます。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

口と全身との関わりについては、なんとなくご存知だったかもしれませんが「むし歯で命を落とすことはない」「歯周病でも生きていくのに困らない」など、口の中の健康については軽視されがちです。全身の健康を考えるとき、口の健康とは別物と考えるのではなく、どちらの健康も繋がっているものとして考えていきましょう。全身の健康を考える上で、お口を健康に保つためにご自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを並行して行っていきましょう。

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