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学校歯科健診が果たす大切な役割 ~むし歯の発見から児童虐待の予防まで~|OCEAN歯科クリニック|美浜区磯辺の検見川浜駅より徒歩1分のOCEAN歯科クリニック

学校歯科健診が果たす大切な役割 ~むし歯の発見から児童虐待の予防まで~


学校で行われる歯科健診と聞くと、「むし歯があるかどうかをチェックするもの」というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、実はそれだけではありません。

学校歯科健診は、子どもたちの健康を守る大切な役割を果たしており、その中には「児童虐待の発見・予防」という重要な側面も含まれています。

今回は、学校歯科健診が児童虐待の予防につながる理由について、わかりやすくお伝えします。

 

【学校歯科健診とは?】

みなさんは、小学校・中学校・高校で受けた歯科健診を覚えていますか?

学校歯科健診は、通常4月から6月にかけて実施されます。ただ、最近では新型コロナウイルスの影響で、年間を通して実施されるケースも増えました。子どもたちは成長が早く、4月に健診を受けた子どもと翌年3月に健診を受けた子どもでは、身長や体重だけでなく、歯の状態にも違いが出ます。そのため、健診のタイミングによって、全国統計の数値にも影響を与えることがありました。

現在は、通常の時期に戻りつつあり、より適切な歯科健診が行われるようになっています。

 

【歯科健診でチェックする内容】

歯科健診では、以下のような点をチェックします。

・むし歯の有無

・歯肉(歯ぐき)の健康状態

・かみ合わせや歯並び

・顎の発達や関節の状態

歯科健診は、単にむし歯の有無を確認するだけでなく、子どものお口の健康全体を評価する大切な機会です。歯並びやかみ合わせの問題は、成長期に適切な対応をすることで将来的なトラブルを防ぐことができます。また、歯ぐきの健康状態や顎の発達を確認することで、全身の健康とも関わる兆候を見つけることができます。

このように、学校歯科健診は、子どもたちの口腔内の変化を定期的にチェックする大切な場となっています。成長が早い時期だからこそ、こまめなチェックを行うことで早期発見・早期治療につなげることができるのです。

しかし、歯科健診の役割はそれだけではありません。実は、子どもたちの健康状態を確認する中で、「児童虐待の兆候」に気づくことがあるのです。

 

【児童虐待と歯科健診の関係】

児童虐待には、以下の4つの種類があります。

1. 身体的虐待(暴力によるケガや傷)

2. 性的虐待(子どもに対する不適切な行為)

3. ネグレクト(育児放棄や適切な世話をしない)

4. 心理的虐待(言葉や態度による精神的な圧力)

このうち、歯科健診で特に発見されやすいのが「ネグレクト」なのです。

 

【ネグレクト(育児放棄)の兆候】

歯科健診のなかで、以下のような口腔内の特徴を持つ子どもがいる場合があります。

・ひとりで多数のむし歯がある

・口の中が極端に不衛生

・歯科治療が必要な状態なのに放置されている

これらの子どもは、家庭で適切なケアを受けていない可能性があります。

例えば、「子どもが歯の痛みを訴えても、親が歯医者に連れて行かない」「歯みがきの習慣がない」など、親が子どもの口腔ケアに無関心なケースはネグレクトの一例です。このような状態が続くと、子どもの健康にも大きな影響を及ぼします。

 

【身体的虐待の兆候】

歯科健診では、ネグレクトの兆候以外にも身体的虐待のサインを発見することもあります。

例えば、

・歯が不自然に折れている

・口の中に説明のつかない傷がある

・何度も同じ場所にケガをしている

こうしたケースでは、事故ではなく虐待の可能性を疑います。

 

【心理的虐待の兆候】

心理的虐待を受けている子どもは、歯科健診の際に特有の態度を示すことがあります。

・過剰に怯えている

・歯科医やスタッフと目を合わせない

・話しかけても反応が鈍い

子どもたちの様子を注意深く観察することで、心理的虐待の兆候に気づくこともできるのです。

 

【児童虐待の可能性がある場合の対応】

歯科健診の場で虐待の疑いがある子どもを見つけた場合、学校歯科医は養護教諭や学校関係者に報告し、必要に応じて児童相談所へ通告します。

児童相談所への通告は法律で義務付けられており、「189(いちはやく)」という専用ダイヤルに連絡すると、最寄りの児童相談所につながります。通告は匿名でも可能で、子どもを守るためにとても重要な手段です。

また、学校歯科医は「お口の中だけでなく、その子どもの全体像を診る」ことを常に意識しています。歯や歯ぐきの状態だけでなく、子どもの様子や態度にも目を向けることで、虐待の早期発見につながることがあるのです。

 

【保護者の皆さんにできること】

保護者の方も、子どもの健康を守る大切な役割を担っています。

・歯みがきの習慣をつける

・定期的に歯科検診を受ける

・子どもの歯の痛みを見逃さない

・学校や歯科医と協力して子どもを見守る

虐待は、家庭だけでなく社会全体で防ぐものです。子どもたちの健やかな成長のために、学校歯科健診を有効に活用し、歯科医や学校と協力して、子どもたちを見守り支えていきましょう。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

学校歯科検診の意義について、ご理解いただけたでしょうか?

お子さんのお口の健康を守るというのはもちろんですが、その他にも重要な意味があるのです。

お子さんが学校歯科健診の結果をもらってきて、何らかのチェック項目がある場合は、なるべく早めに歯科医院を受診して適切な治療や指導を行うのがいいでしょう。

早期に異常を発見することでお子さんのお口の健康を守っていきましょう。

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