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「根の先に膿が溜まっているので、歯科医院で根管治療(根っこの治療)が必要だと言われました。でも、今は痛みもなく、腫れもありません。本当に治療が必要なんでしょうか?」
このような疑問を抱く方は少なくありません。歯医者でレントゲンを撮影し、黒い影が写っていると「膿が溜まっています」と説明されることがあります。実際、膿や感染が起こっていても、痛みや腫れが現れる前の段階で発見されることもあります。このような状況で、治療が必要かどうかの判断はどのように行われるのでしょうか?
この記事では、症状がない状態でも根管治療が必要な場合と、不要な場合について詳しく説明します。
【レントゲンで黒い影が見える原因】
歯の根の先に膿が溜まる原因の多くは、細菌感染です。むし歯が深く進行すると、歯の神経にまで達し、最終的には神経が死んでしまうことがあります。その結果、細菌が根管(歯の内部の神経や血管が通っていた部分)に感染し、根の先に炎症が起こります。レントゲンでは、この炎症が黒い影として見えることが一般的です。
黒い影が見えた場合、治療が必要かどうかは、その歯が今どのような状態にあるかを診断することで決まります。以下では、治療が必要な場合とそうでない場合の具体的な例を挙げます。
①治療が必要ない場合
痛みもなく、腫れもなく、自覚症状が全くない場合でも、レントゲンに黒い影が写ることがあります。これは、以前に行った根管治療が現在、治癒過程にある状態かもしれません。このような場合、治療を急ぐ必要はないかもしれません。
治療が不要な場合の特徴は以下の通りです。
特に、最近行った根管治療の影響で炎症がまだ完全に治まっていないことがあります。根管治療後、完全に治癒するまでには時間がかかることが多く、一般的には1年ほどで約8割の症例で治癒の兆しが見られるとされています。さらに、完全に判断するには、数年間ほど経過を観察することが必要です。
もし、最初に撮影したレントゲン写真で黒い影が小さくなってきている場合、これは治癒が進んでいる証拠です。このような場合には、定期的にレントゲン撮影を行い、その影が縮小しているかどうかを確認しながら経過観察を行います。
②治療が必要な場合
一方で、黒い影の原因が細菌感染によるものである場合は、根管治療が必要です。以下のような症状や診断結果がある場合には、治療を行う必要が高まります。
これらのケースでは、細菌感染が進行している可能性があり、放置すると痛みや腫れといった症状が現れるだけでなく、感染が広がり、歯そのものが抜け落ちるリスクもあります。また、歯周組織や顎の骨にまで感染が広がると、治療がさらに困難になる可能性もあるため、早めの対応が重要です。
【早期治療の重要性】
「今は痛みもないし、自覚症状がないから治療は後でもいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。確かに、忙しくて時間が取れない場合や、急を要さないと判断された場合には、治療を先延ばしにすることも一つの選択肢です。しかし、治療を遅らせることで、病変が大きくなり、痛みや腫れが急に発症することもあります。
また、むし歯の治療や被せ物のやり直しを行う場合、根管内に細菌感染が残っていると、新しい被せ物を装着した後で問題が再発する可能性が高くなります。根の治療をしっかり行わずに歯の表面だけを治療しても、後から細菌感染によって痛みや腫れが再発し、結局再治療が必要になることが多いです。
【根管治療とは?】
根管治療は、歯の内部にある感染した神経などを除去し、根管内をきれいに清掃・消毒する治療です。その後、根管をしっかりと封鎖して細菌の再感染を防ぎます。このプロセスにより、歯を抜かずに保存することが可能になります。
治療自体は数回の通院で行われ、各ステップでレントゲンを撮影しながら進めていきます。治療が完了すれば、問題が再発しない限り、痛みや腫れのない快適な状態が続くことが期待されます。
【OCEAN歯科からのメッセージ】
レントゲンで根の先に黒い影が写っている場合、必ずしもすぐに治療が必要とは限りません。症状がなく、治療後の治癒過程にある場合は、定期的な経過観察が推奨されます。しかし、細菌感染の兆候がある場合や、病変が進行している場合には、早めの根管治療が必要です。
歯は一度失うと元には戻りません。放置することで症状が悪化するリスクがあるため、歯科医の判断に基づいて適切なタイミングで治療を受けることが大切です。症状がなくても、定期的なチェックと適切なケアを行うことで、健康な歯を長く保つことができます。
もし気になるようなことがあったら、お気軽にご相談ください。