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歯の数や構造、かたち、色の異常|OCEAN歯科クリニック|美浜区磯辺の検見川浜駅より徒歩1分のOCEAN歯科クリニック

歯の数や構造、かたち、色の異常


歯もからだの成長と同様に成長していきます。歯は顎の骨の中で育つため、目で直接見ることはできません。顎の中でずっと成長を続け、準備ができると次第に口の中に現れてきます。乳歯だったら歯が全く無い歯ぐきに生えてきますし、永久歯であれば乳歯がグラグラして永久歯に生え変わりますね。

しかし、歯の成長途中に何らかの悪影響が生じると、歯の数やかたち、構造などに異常が現れることがあります。今回はそのような歯のさまざまな異常についてご説明していきます。

 

【歯の数の異常】

通常、生えてくるはずの歯の数が足りなかったり、過剰だったりして異常が認められることがあります。

・完全無歯症(かんぜんむししょう)

歯が全くない状態です。
非常に稀なケースですが、先天的に歯が一本も生えてこない場合があります。

無歯症は、外胚葉異形成症(がいはいよういけいせいしょう)という先天的な疾患の一症状として現れることが多く、この病気では歯以外にも、毛髪や爪、汗腺に異常が生じることがあります。

・先天性欠如(せんてんせいけつじょ)
生まれつき歯の本数が少ない状態を指します。これは部分的無歯症とも呼ばれ、特に第二小臼歯(前から5番目の歯)や側切歯(前から2番めの歯)に多く見られます。実際には、10人に1人程度の割合で起こる比較的よく見られます。遺伝なども影響を与える因子です。

・過剰歯(かじょうし)

歯の本来の数は乳歯20本、永久歯28~32本です。

過剰歯は通常の葉が生える本数よりも、過剰に多く作られた歯のことを意味します。

普通の歯と同様に生えてくることもありますが、骨の中で埋まったままになっていることもあります。骨の中にある場合は、レントゲンを撮ったら過剰歯があることに気づくことができます。

かたちとしては、基本的には奇形の歯ですので、普通の歯と違っていたり大きさも異なっています。三角錐のような形をしていたり、小さかったりとさまざまです。多くの場合は抜歯となるでしょう。

 

【歯の構造に関する異常】

歯はエナメル質や象牙質という層で覆われていて神経を守っているのですが、その歯を構成しているエナメル質や象牙質がきちんと作られていない状態を指します。

・エナメル質形成不全症(MIH)
エナメル質形成不全症は、歯の表面を覆うエナメル質が十分に形成されない状態を指します。症状として、エナメル質が薄くなったり、部分的に欠けることがあり、歯が黄色く見えることが多いです。エナメル質が不十分だと、歯がむし歯になりやすくなるため、注意が必要です。

・象牙質形成不全症
象牙質形成不全症は、歯の内部にある象牙質が正常に作られない状態です。この異常では、歯が琥珀色に変わりやすく、象牙質とエナメル質の結合力が弱いため、歯が欠けやすくなります。さらに、象牙質がしっかり作られないため、歯の根が短くなることもあります。

・歯内歯
歯内歯とは、歯の内部にエナメル質や象牙質が過剰に入り込んでしまう異常です。特に上顎の側切歯(上の前から2番めの歯)に多く見られ、形状が通常と異なるため、むし歯や歯周病のリスクが高まることがあります。

【歯のかたちに関する異常】

歯には歯の種類によってそれぞれ決まったかたちがありますが、通常とは異なる様子を呈します。

・ハッチンソンの歯
ハッチンソンの歯は、生まれつき梅毒に感染していた場合に、子どもの歯に見られる形状の異常です。この症状では、前歯の縁に半月状のくぼみができ、歯の横幅が通常よりも狭くなることが特徴です。

・矮小歯
矮小歯は、通常よりも小さな歯です。隣の歯に比べると明らかに小さいので見分けがつきやすいかもしれません。歯の大きさだけでなく、形状も異なることが多く、特に尖った形をした円錐歯や、細長い栓状歯などの形状異常が見られることがあります。これらの異常は見た目の問題だけでなく、かみ合わせや口腔機能にも影響を及ぼす場合があります。

・巨大歯
通常の歯よりも著しく大きな歯です。特に前歯や奥歯に見られ、歯冠の大きさや歯根の長さが通常の歯と比べて大きくなります。かみ合わせに問題を引き起こすことが多いため、矯正治療が必要となる場合があります。

・双生歯(そうせいし)

一つだった歯胚(歯のもとになるもの)が何らかの原因で2つに分離してしまい、そのまま成長発育した歯です。

・エナメル滴
歯の根元部分に球状の隆起ができる状態で、エナメル真珠とも呼ばれます。この異常は、歯周組織との密着が不十分になり、歯周病の原因となることがあります。定期的な検診での早期発見と予防が重要です。

 

【歯の色に関する異常】

・斑状歯(はんじょうし)
斑状歯は、フッ素の過剰摂取によって引き起こされる歯の色の異常です。

1~2ppm以上のフッ化物を長期間摂取した場合に、歯に水平な白色や褐色の斑点が現れます。この症状は、むし歯予防の効果がフッ素によって発見されるきっかけとなった現象でもありますが、適量のフッ素は安全ですので、日常の歯みがきに使用する場合は心配いりません。

(歯科医院でのフッ素塗布や家庭で使用する高濃度のフッ素配合歯磨剤などは安全です。)

・テトラサイクリンの副作用
テトラサイクリンという抗菌薬を歯が形成される時期に服用すると、象牙質に影響を与え、歯に灰色や茶色のしま模様が現れることがあります。

 

【その他の異常】

・歯牙腫
歯牙腫は、歯胚が過剰に発育することで形成される良性の腫瘍です。

歯の構造が含まれており、痛みや腫れなどの自覚症状もありません。定期検診などのレントゲン撮影によって発見されることが多いです。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯の異常といってもいろいろな種類があります。

歯の発育不足や過剰による異常は、歯の数、かたち、色、構造にさまざまな影響を及ぼします。これらの異常は、先天的な要因や環境要因によって引き起こされることが多く、適切な診断と治療が必要となることもあります。

もしも気になることなどがあれば、お気軽にご相談ください。

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