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毎日のブラッシングで歯みがき粉を使用する人は90%以上とも言われています。
皆さんはどのような基準で歯みがき粉を選ばれているでしょうか?
毎回、同じブランドや似たような成分が入っているものを選ばれているでしょうか。
おそらく、水でみがくよりもさっぱりするからとか、薬用成分が入っているのでむし歯や歯周病の予防に良いと思うからという理由でなんとなく選ばれている方がほとんどだと思います。
どんな歯磨き粉を選んだら良いかの前に、歯みがき粉を使う目的から考えてみましょう。
【歯磨き粉を使う目的】
歯みがき粉は、ブラッシングの効果を上げて歯のさまざまな病気の予防とメンテナンスを行うこために使います。そのため、その時々の口の中の状態に合わせた歯みがき粉を選んで使っていく必要があります。
現在、歯みがき粉の種類はとても多く、歯科医院においてあるものの他にもドラッグストアなど、いろんな種類の歯みがき粉が販売されています。なんとなくフッ素が入っている方が良いと思うからとか、歯周病予防って書いてあったから、ではなく、きちんと成分を理解した上で選んでいきましょう。
【歯みがき粉は大きく3つに分けられる】
歯みがき粉のパッケージをよく見ると「薬用」や「医薬部外品」などの文字が書かれていることがよくあります。
一般に市販されている歯みがき粉は「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3つに分けられています。
①医薬品
第3類医薬品に分類されている医薬品としての歯みがき粉です。
これは副作用の可能性が低い医薬品で、購入するときに説明などを受ける必要はありません。
ですが、治療薬に相当するものであり、通常のブラッシングを行う使用法であっても薬と同じく添付文書が付いています。
主に、歯肉炎、歯周炎などの症状を緩和するためのもので、基本的には歯科医院での治療が必要な状態のときに使用します。
②医薬部外品
薬用成分が含まれているものです。
フッ化物(フッ素)も薬用成分であるため、現時点で日本で販売されているものの約90%がこれにあたります。
③化粧品
基本成分のみ含まれていて、薬用成分は入っていません。
【歯みがき粉の成分】
歯みがき粉は基本成分と薬用成分でできています。
(1)歯みがき粉の基本成分
基本的には以下のもののいずれかが組み合わさって歯みがき粉の基本を作っています。
清掃剤と発泡剤はプラークを除去する効果を高める作用もあります。
・清掃剤(研磨剤)
歯の表面を傷つけずにプラークやステインなど、歯の表面の汚れを落とします。
主な成分として、リン酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウムなどが入っています。
・湿潤剤
歯みがき粉に適度な湿り気と可塑性(クリーム状の形)を与えるものです。
主な成分として、グリセリン、ソルビトールが入っています。
・発泡剤
口の中に歯みがき粉を拡散させ、汚れを取り除きます。
主な成分として、ラウリル硫酸ナトリウムが入っています。
・粘結剤
粉体と液体成分を結合させ、保型性や適度な粘性を与えます。
主な成分は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなどです。
・香味剤
香味の調和を図るものです。
爽快感と香りをつけ、歯みがき粉を使いやすくするものです。
主な成分は、サッカリンナトリウム、メントール、ミント類などです。
・保存料
変質を防ぐものです。
主な成分は、安息香酸ナトリウム、パラベン類などです。
【歯みがき粉の薬効成分】
薬効成分のうち、むし歯の予防で有名なのはフッ化物(フッ素)ですが、他にも歯周病を予防する成分や知覚過敏の症状を抑えるような成分などさまざまなものがあります。
今の口の中の状態をよく知り、お使いの歯みがき粉に必要な薬効成分が含まれているかを確認していくことで毎日のメンテナンスがより効果的になっていきます。
(むし歯予防のために含まれているもの)
・フッ化物
フッ化ナトリウム・モノフルオロリン酸ナトリウム
※フッ化物は年齢によって最適な濃度はさまざまですので、年齢に応じたものを選び、使用料を正しく守りましょう。
・殺菌剤
クロルヘキシジン塩類・塩化ベンゼトニウム・トリクロサン・塩化セチルピリジウムなど
・プラーク分解酵素
デキストラナーゼ
(歯周病予防のために含まれているもの)
・殺菌剤
クロルヘキシジン塩類・塩化ベンゼトニウム・イソプロピルメチルフェノール・トリクロサン・塩化セチルピリジニウムなど
(歯石がつくのを予防するために含まれるもの)
ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム
(知覚過敏の症状を抑えるもの)
乳酸アルミニウム、硝酸カリウム
このように、ひとつひとつの成分を確認してみると自分にとってより良い歯みがき粉が選べるのではないでしょうか。
【歯みがき粉を使うメリット】
歯みがき粉を使う理由の一つに薬用成分が含まれているからということがありますが、実はそれ以外にも歯みがき粉を使うメリットがあります。
歯みがき粉をつけてみがいた時と歯みがき粉をつけずにみがいた時を比べると、
・歯みがき粉をつけた方がプラークを除去する力が高い
・歯みがき粉をつけた方がプラークが歯に付着する量が減る
というデータも出ています。
また歯みがき粉の使用する量が増えるとプラークの付着する量が減るという報告もあります。
(ただし過剰な量は必要ありません)
このように、歯みがき粉にはプラークを除去する力を上げたり、プラークそのものを付着しにくくするという効果もあります。その他にも、むし歯や歯周病の予防だけでなく、知覚過敏の症状を軽減したり、歯の着色を除去しやすくするなどの役割があります。
【歯みがき粉の形状の違い:ペースト状のものと液体のもの】
ペースト状のいわゆる歯みがき粉といわれるものと液体の歯みがき剤があります。
液体にものは洗口剤と区別がしにくく、洗口剤と間違えて使用してしまう方も多いです。
液体の歯みがき剤では「洗口後、歯みがきをすること」と表記されていますので、注意してみてみましょう。
液体の歯みがき剤のメリットは、液体なので口の中の狭いところにも届きやすいことがあげられます。
【OCEAN歯科からのメッセージ】
歯みがき粉にはさまざまな成分が含まれています。
お肌はひとりひとり乾燥肌、敏感肌、脂性肌などのタイプがあって違いますし、それぞれ毛穴の開きが気になるだとか、くすみが気になるなど悩みも違います。
歯みがき粉を選ぶときは、ぜひ、化粧品を選ぶようなイメージで自分にはどれが必要かを考えて選んでいくといいでしょう。
定期的な検診やクリーニングで、そのときの口の状況に応じたことはご説明します。そのときにどのような歯みがき粉を使ったらいいか、どの成分が必要かなどのご相談もできます。
一人で悩まずに、一緒に毎日の歯みがきから口の健康を守っていきましょう。