- 〒261-0012 千葉県美浜区磯辺6-8-1-102
- 043-303-5077
ブログ
Blog
ブログ
Blog
口の中に何か変化が現れた時、癌の兆候を心配される方も多いのではないでしょうか。
実際には、癌ではないことが多いものの、早期に気づくことで治療の可能性が広がることもあります。
今回は、口の中に現れる癌になりやすい病変や、癌と間違えやすい病気について、詳しく解説します。
自分の健康を守るために、どんな症状に注意すべきかを知っておくことが大切です。
【癌になる前に知っておくべき症状】
癌に進行する可能性のある病変には、早期に気づくことで予防が可能なものも多いです。特に「前癌病変」という状態は、癌になるリスクが高いものの、早期発見することで治療を行うことができます。まずは、この「前癌病変」について理解しておきましょう。
【前癌病変とは?】
「前癌病変」という言葉は、耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にどのような状態を指すのかは、なかなか理解しにくいこともあります。簡単に言うと、「癌になりやすい状態ではあるけれど、現時点では癌ではない」という状態を指します。
WHO(世界保健機関)では、前癌病変を「正常な組織と比較して、癌の発生しやすい形態的な変化を伴った病変」と定義しています。言い換えれば、癌に変わる可能性がある段階ではあるが、今すぐに癌ではないということです。
この段階での発見が非常に重要です。早期に発見し、経過観察や必要に応じた治療を行うことで、癌を未然に防ぐことができる可能性が高くなります。
【癌になりやすい病変の種類】
癌になりやすい病変にはいくつかの種類があります。その中でも特に注意が必要なものを、詳しくご紹介します。
①白板症(はくばんしょう)
白板症は、口内の粘膜に白い斑点や板状の病変が現れる症状です。この病変は、将来的に癌に発展する可能性があります。日本では、白板症の5~10%が癌に進行するとされています。
・原因: 喫煙や義歯などによる慢性的な刺激が主な原因とされていますが、具体的な原因が不明な場合もあります。
・現れる場所: 舌のふち、頬の内側、歯ぐき、舌の下などに現れることが多いです。
・年齢・性別: 40~60代の男性に多く、特に喫煙者に多く見られます。
・特徴: 自覚症状はほとんどなく、白い部分はガーゼやティッシュで拭いても取れません。
・見た目: 白い部分の周りの境目ははっきりとしており、表面は凸凹があったり平坦だったり、ザラザラした感じが見られます。また、一部に赤い斑点が現れることがあります。この場合、癌に進行する可能性が高くなります。
②紅板症(こうばんしょう)
紅板症は、口内に現れる赤い斑点や板状の病変です。日本では、紅板症の約40%が癌に進行するとされています。
・原因: 喫煙やアルコールの摂取が関係しているとされていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
・現れる場所: 舌、歯ぐき、頬の内側、口蓋などに見られます。
・年齢・性別: 40~60代の男性に多く見られます。
・特徴: 通常は自覚症状がないことが多いですが、触れると痛みを感じることがあり、違和感を覚えることもあります。すでに上皮内に癌が進行している場合もあるので注意が必要です。
・見た目: 病変部分は周囲の組織と境目がはっきりと分かれており、赤みが鮮やかです。
【癌と間違えやすい病気】
癌と間違えやすい病気もいくつかあります。これらの症状は癌ではない場合が多いですが、無理に自己判断をせず、専門家に相談することが大切です。以下に代表的なものをご紹介します。
①口内炎(こうないえん)
口内炎は、口の中にできる小さな潰瘍のことです。通常、2週間以内に治癒しますが、もし2週間経っても治らない場合は、他の病気が隠れている可能性もあります。
・原因: ストレスや栄養不足、免疫力の低下などが原因とされています。さらに、口内が不潔だったり、義歯や矯正器具で粘膜が傷ついたりすると発症することがあります。
・現れる場所: 舌、頬の内側、歯ぐき、唇など、口の中のさまざまな場所に現れます。
・症状: 赤く円形の腫れが現れ、その中心がえぐれていることがあります。複数個集まってできることもあり、食事の際にしみたり、触れると痛みを感じます。
・治療: 通常は1~2週間で自然に治癒しますが、2週間以上続く場合は一度歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
②扁平苔癬(へんぺいたいせん)
扁平苔癬は、口内の粘膜に慢性的な炎症が起き、白い斑点が現れる病気です。まれに癌に進行することもありますが、そのリスクは低いため、経過観察が大切です。
・原因: 主に自己免疫疾患が原因とされていますが、銀歯や入れ歯の金属に対するアレルギー反応やホルモンの影響も関係していると考えられています。
・現れる場所: 多くの場合、頬の内側に両側性で現れますが、舌や歯肉、唇にも見られることがあります。
・年齢・性別: 30~60代に多く、特に50代以降の女性に多く見られます。
・症状: 通常は自覚症状がないことが多いですが、痛みや違和感を感じることもあります。
・見た目: 網目状、またはレース模様の白い斑点が数多く現れるのが特徴です。また、水ぶくれができたり、ただれたり、深くえぐれたりすることもあります。
【その他の注意すべき病気や形態】
①重度歯周病
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶け、歯が動揺します。歯ぐきからの出血や膿が出ることがあり、かんだときに痛みを感じることもあります。
・原因: 歯周病菌による感染が主な原因です。
・症状: 歯ぐきの出血、膿、歯の動揺などが見られます。
②口蓋隆起(こうがいりゅうき)、下顎隆起(かがくりゅうき)
これらは遺伝や歯ぎしり、食いしばりによって引き起こされることがあります。通常、無症状ですが、入れ歯が作れない場合などに切除が行われることもあります。
【定期的なチェックで口腔癌を予防する方法】
口腔癌を早期に発見するためには、定期的に口腔内をチェックすることが重要です。自分でできる簡単なチェック方法と、歯科医師による専門的な検診を組み合わせることが、癌の早期発見に繋がります。
①自宅でできるチェック方法
自分でできる口腔内チェックは、毎日のお手入れの一環として行うことができます。以下のポイントに注意してみましょう。
・鏡で口の中を確認する:明るい場所で鏡を使って、舌の表面や裏側、頬の内側、歯茎、口蓋の状態を確認しましょう。異常な色や形の変化がないか、赤や白の斑点、しこり、腫れなどがないかをチェックします。
・痛みや違和感を感じたら注意:口の中に痛みや違和感を感じる場合は、その部位を触ってみて、どのような変化があるのかを確認します。特に、痛みが続く場合や、長期間治らない潰瘍がある場合は要注意です。
・歯ぐきの状態を確認する:歯茎からの出血や腫れが続く場合は、炎症や歯周病だけでなく、口内癌の可能性も考慮する必要があります。
②歯科医院でのチェック
歯科医師による定期的な口腔内チェックは、癌の早期発見に欠かせません。歯科医院では、口腔内を専門的に検査し、セルフチェックでは見逃しやすい病変も発見することができます。
口腔癌を予防するためには、定期的な口腔内チェックと健康的な生活習慣が不可欠です。異常を感じた際には早期に専門家に相談することで、癌を未然に防ぐことができます。自分の健康を守るために、定期的な検診と生活習慣の見直しを実践し、口腔癌を予防しましょう。