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脱水症と経口補水液|OCEAN歯科クリニック|美浜区磯辺の検見川浜駅より徒歩1分のOCEAN歯科クリニック

脱水症と経口補水液


脱水症や熱中症がこわいからといって、スポーツドリンクなどを夏場は頻繁にお子さんに飲ませる保護者の方も多いかもしれません。しかしながら、スポーツドリンクを頻繁に飲むことによってむし歯が多く発生している事実をご存じでしょうか?

本当に毎回、スポーツドリンクを飲む必要があるのでしょうか?

脱水症や熱中症にならないための予防は大切ですが、からだが本当に必要としているものはなにかをしっかり考えていかないといけません。

ここでは人の体に必要な成分とそれを補う経口補水液、そして口の中の環境について考えていきたいと思います。

【人間のからだの水分量】

人間のからだの約60パーセントは水分と塩分(電解質)が混ざった液体(体液)でできています。年代によってその量は変わり、子どもの頃が1番多く、その後は歳を重ねていくごとに減少していきます。

体液の量は、体重の

・小児:70パーセント

・成人:60パーセント

・高齢者(65歳以上が目安):50パーセント

・お母さんのお腹にいる胎児:90パーセント

これをもとに、人間のからだにとって必要な水分量を考えてみましょう。

50kgの成人だと50✖️60パーセント=30リットル ですので、

2リットルのペットボトル15本分の体液量だということが分かります。

これは想像以上に多いのではないでしょうか?

 

【体液が少なくなることが脱水症】

それでは、このからだの中にある体液が減った場合を考えていきます。

体液はからだの中で重要な働きをしています。そのために、いろんな成分が含んでいますが、最も多いのがナトリウムイオンです。そのほかにはカルシウムイオンやカリウムイオンなど、からだのバランスを維持するためにさまざまな成分が含まれています。

この体液が減少した状態が脱水症です。言い換えると、脱水症とは水分と塩分(電解質)が失われた状態です。単に水分だけが減ったわけではないのです。

体液は栄養素や酸素を運んで、老廃物を運び出しているほかに、汗としてからだの外に出ることで、体温調節も行っています。このような大切な働きをする体液が失われてしまうと、栄養や酸素がからだに行き渡らず、老廃物も蓄積されてしまいます。

脱水とはからだから水分が抜けて干からびた状態だけではなく、からだの中に悪いものが溜まってしまう状態になるのです。

一般的に、人間には1日2.5リットルくらいの水が必要とされています。

水分を5パーセント失うと脱水症状や熱中症などの症状が現れ、10パーセント失うと筋肉の痙攣や、からだの循環不全が起こります。20パーセント失うと、死に至ってしまうのです。

人間にとって水分がどれだけ大事かが分かりますね。

 

【水分補給ではどんな飲み物を選んだらいいの?】

では、もし汗をかいた場合は、どのようなものから水分補給をしたらいいのでしょうか?

脱水症とは体液が失われた状態ですので、水分だけではなく、塩分(電解質)も補わなければなりません。つまり補水をするというのは、水分と塩分(電解質)を同時に補給することを意味します。

のどが渇いたときは水かお茶を飲むことで大丈夫ですが、少量の汗をかいたなら0.1~0.2パーセント食塩水を摂りましょう。大量の汗や脱水症の対策には、経口補水液をとることをおすすめします。

 

【むし歯とスポーツドリンク】

スポーツドリンクは、飲み方に注意が必要です。

脱水や熱中症がこわいからとスポーツドリンクを頻繁に飲む習慣がついてしまうと、すぐにむし歯になってしまいます。

医療用の経口補水液は

・ナトリウム:75mEq/ℓ

・カリウム:20mEq/ℓ

・ブドウ糖:2パーセント   であるのに対して

スポーツドリンクは

・ナトリウム:21mEq/ℓ

・カリウム:5mEq/ℓ

・砂糖が:6パーセント です。

砂糖だけで考えると、スポーツドリンクの中には、スティックシュガー10本分も含まれていることになります。そう考えると、どれだけ多くの砂糖を無意識に摂っているかが分かりますね。

スティックシュガーを10本もそのまま摂取する人は少ないかもしれませんが、それと同量の砂糖を含む飲み物の場合は簡単に摂取してしまっているのです。

むし歯を作る菌は、砂糖を食べて歯を溶かしますので、スポーツドリンクを飲み続けることでどれだけむし歯になりやすい環境を作っているかが分かる思います。

 

【経口補水液とスポーツドリンクの違い】

経口補水液とスポーツドリンクでは、含まれるものの量が異なります。

経口補水液は、その組成は厳格に決められていて、水分、塩分、ブドウ糖、ミネラルから構成されています。アミノ酸、タンパク質、脂肪、ビタミンなどは含まれていません。

一方のスポーツドリンクは、組成の基準はありません。商品によって脱水症に対する補水効果はまちまちであるため、特にナトリウムイオン濃度とブドウ糖濃度をよく確認して選ぶ必要があります。商品によって、アミノ酸やビタミンをたくさん含まれているものもあります。

スポーツドリンクは味を優先することが多いため、経口補水液のように厳格な組成は定められていないのです。

もしも脱水症の対策のためにスポーツドリンクを飲む場合は、経口補水液に近い成分が適しています。購入するスポーツドリンクの成分を、しっかりと確認することが大切です。

【どんなスポーツドリンクを選んだらいい?】

経口補水液に近い成分のスポーツドリンクを選ぶのをおすすめしますが、特に、ナトリウムイオン濃度が高いものを選びましょう。目安としてはナトリウムイオン濃度が40mg/dL(塩分1g/1L相当)以上含まれているものです。

例えば、ポカリスエットの100ミリリットル当たりの栄養成分は

・エネルギー:25kcal

・タンパク質・脂質:0g

・炭水化物:6.2g

・ナトリウムイオン:49mg

・カリウムイオン:20mg

・カルシウムイオン:2mg

・マグネシウムイオン0.6mg        です。

ポカリスエットは、経口補水液よりもブドウ糖濃度が高く、ナトリウムイオン濃度は49mg/dLと低めではありますが、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンも含まれているため、水分と電解質の補給には適しているスポーツドリンクといえます。

 

【OCEAN歯科のおすすめドリンクレシピ】

熱中症や脱水防止のためにと、市販のスポーツドリンクを頻繁に飲むのはむし歯になるリスクも高めてしまうため、あまりおすすめはしていません。

経口補水液に近いものは、どこのご家庭にもある材料で簡単に作ることができます。

そこで、ここでは手作りのおすすめのドリンクのレシピをご紹介します。

・水 500cc

・塩 1.5g

・ブドウ糖 10g(または砂糖20g)

・レモン汁 50ml(お好みで)

これらをすべて良くかき混ぜたら手作り経口補水液のできあがりです。

 

【手作り経口補水液の注意点】

手作りするときに、汚れた容器や汚れた手指で作るとばい菌が入ってしまいます。そうすると、飲んだときに体内にもばい菌が入ります。そのため、作るときは手指をよく洗い、清潔な容器で作りましょう。

そして、手づくり経口補水液は作ったその日のうちに飲み切るようにして、冷蔵庫や常温での保存はやめましょう。

手作りの経口補水液は、ブドウ糖でなく砂糖で作ることが多いでしょうから、市販の経口補水液に比べて吸収に時間がかかってしまいます。緊急性を要するときは、市販の経口補水液を使用する方がいいでしょう。

一般的な汗をかいたりすることによる脱水予防ではなく、下痢や嘔吐による脱水には手づくり経口補水液ではカリウムイオンが足りない場合があります。その場合は市販のカリウムが入っている経口補水液を使用しましょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

これからの季節は脱水症や熱中症など、汗を欠くことが増えますのでいろいろと注意していく必要があります。もちろん、倒れてしまっては元も子もないですが、できるだけ口の中の環境を悪くせず、からだ全体も健康を保てるようにしたいものです。

これからの季節を乗り越えるために、ぜひ参考にされてください。

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