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口を開ける時に顎が痛かったり、大きく口を開けるとカクカク音がなったり、急に口が閉じられなくなったりした経験はありませんか?
もし、これらの症状の中で当てはまるものがあったら「顎関節症」になっているかもしれません。
顎関節症はむし歯、歯周病と並んで歯科の三大疾患の一つと言われるくらい、多くの方がかかっている疾患です。今回は顎関節症について、どのような状態なのか、治療方法についてなど、ご説明したいと思います。
【どんな症状があったら顎関節症?】
・口を開けると痛い(開口時痛)
・口が開かない、または開けにくい(開口障害)
・口を開けると音がする(関節雑音)
【顎関節症の多い年代】
厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、男性より女性が多いとされています。
特に20~24歳の女性に多いようです。
【顎関節症はどのような状態なのか?】
顎関節症には4つの病態があります。
そのうちの1つ、もしくは複数の状態になっていることが考えられます。
以下が顎関節症の4つの病態です。
①咀嚼筋(そしゃくきん)の痛み
咀嚼筋とは、簡単にいうとご飯を食べるときに使う筋肉のことです。この筋肉が痛んだり、動きにくくなったりする状態ですので、お食事の時などに気づくことも多いです。
②顎関節の痛み
顎を開け閉めするのには顎関節という部位が働いています。
その関節を作っている組織に炎症や損傷が起こって、痛みが出る状態です。
③関節円板の障害
顎関節の中には、顎の関節のクッションのような役割をしてくれる関節円板というものがありますが、その関節円板の位置のズレが起こり、痛みが出る状態です。
④顎関節の変形
通常、顎関節は関節円板などクッションによって円滑に動くことができます。
しかし、何らかの原因で関節同士がクッションのない状態で、直接こすれ合い、その結果として骨が変形し、痛みが出る状態です。
【どうして顎関節症になるのか?】
顎関節症の原因として考えられることはたくさんありますので、一つに特定する事は大変難しいのです。 一般的には、いくつかの原因が重なり、その限界を超えると症状が出てくると言われています。
その中の原因として考えられるものを挙げていきます。
思い当たる節はあるでしょうか?
①かみ合わせ
もともとかみ合わせが良くなかった場合は、顎関節症になる可能性があります。
また、歯列矯正や歯科治療を受けてかみ合わせが変わったことで、顎関節症になってしまうということもあります。
②歯ぎしりやくいしばり
歯ぎしりやくいしばりが強いと、歯にヒビが入ったり、歯が欠けてしまったり、根を露出してしまうといったリスクがあります。しかし、これらが及ぼす影響はそれだけではなく、顎の筋肉を緊張させる事で顎関節症にも関わってくることが考えられます。
③習癖
普段の生活の中での無意識のクセが、顎関節に負担をかけているかもしれません。
たとえば、顎に負担がかかるようなことをしていませんか?
何気なく頬杖をついたり、うつ伏せで寝ることも顎関節には負担がかかっています。また、携帯電話やスマートフォン、パソコンで長時間操作をしたり、仕事で重い荷物をよく運んでいたりすることも顎の負担になっているかもしれません。ご本人が気づいていないところで、顎関節に大きな影響を与えている可能性はあります。
また、硬いものを食べるのが好きな場合、頻繁に硬いものを食べることも顎に負担がかかります。眠っている時の姿勢や歯ぎしりもクセとなっている方もいます。
④ストレス
人はストレスを感じたり、集中している時、無意識にかみしめています。
集中している人の顎関節に注目して見てみると、筋肉が盛り上がっていたり、動いていたりすつことに気づくかもしれません。顎関節に力がかかっている証拠です。
ストレスがあることによって、日中だけでなく、寝ている間も顎関節に負担をかけている可能性があります。かみしめが強すぎると、顎関節の周囲の筋肉や靭帯、顎骨に影響を与えてしまいます。
⑤外傷
交通事故、転倒、打撲などの外傷があった場合は、その後に顎関節症を発症することが多くあります。
顎関節には、顎の動きをスムーズにするために「関節円板」というクッションのような役割を果たす軟骨がありますが、外傷によってその軟骨に何らかの影響を与えた場合などに生じます。
関節円板のずれや変形によって顎関節症が発症することが多いです。
⑥スポーツ
スポーツ時は競技を行なっていたり、トレーニングをしているときなどにも無意識にかみしめることが多いため、顎に負担がかかり、顎関節に影響すると言われています。
【どのような治療法があるのか?】
さまざまな原因により顎関節症が発症することがご理解いただけたかと思います。
それでは、顎関節症を治療するために、どのようなことをすればいいのでしょうか?
ここでは顎関節症の治療に代表される項目について、それぞれご説明していきます。
①生活習慣を改善する
生活習慣を見直して、顎への負担を軽減させることも一つの方法です。
パソコンで操作をするときもこまめな休憩を挟んだり、何気なくしている頬杖をつくのを止めるのもいいでしょう。また、うつ伏せ寝をやめたり、一定方向を向いて寝るのではなく、さまざまな方向を向いて寝ることでも顎へかかる負担を減らせます。
日常生活で何気なくしていることを見直してみましょう。
②薬物療法
痛みや炎症を抑える薬を飲むことによって、起きている症状を抑えることができます。
③運動療法
運動療法は、顎関節の動かす体操を医師と一緒か、患者さん自身が行い関節の動きをよくする方法です。動かし方のはコツがあり、無理やり行うとかえって逆効果になりますので、必ず医師の指導の下行うようにしましょう。
④物理療法
マッサージや熱、電気を用いて、顎関節の血流を増加させ、老廃物を代謝したり、腫れや痛み、ストレスを軽減させることで顎関節症の改善を行う方法です。
⑤マウスピース治療
顎関節症というのは、かみ合わせや顎の位置異常から起こるものが多いので、正しい顎の位置に誘導してくれるマウスピースを夜寝るときに装着し、顎関節の安静化を図る方法です。現在の顎関節治療の第一選択になることが多い方法です。
⑥正しい噛み合わせを作る治療
歯並びやかみ合わせが顎関節症を引き起こしている場合、上記に挙げた方法ではでは根本的には解決することができません。矯正治療、かぶせや詰め物、インプラント によって正しい噛み合わせを作ってあげることで、顎関節症の原因である不正咬合を治療する方法です。
⑦外科治療
非常に稀な場合ですが、①~⑥の方法でも改善がない場合などは、関節の中を洗浄したりする外科処置を行う場合もあります。
【セルフケア】
症状を改善するには、ご自身でのセルフケアも大切です。
①顎を安静にする
痛みが強い場合は、硬い食べ物はなるべく控えて、軟らかい食事にしましょう。 また、くいしばりや歯ぎしりをしないように意識するだけでも顎をリラックスさせることにつながります。意識的に歯を接触させないようにしましょう。
②大きく開口しないようにする
特にあくびの時は大きく口を開けてしまいがちですので、注意しましょう。
③姿勢を良くする
猫背や顎を前に出す姿勢はとらないようにしましょう。
④長時間、同じ体勢を続けない
こまめに休憩時間を設けたり、ストレッチをして、身体を休ませることを心がけましょう。
⑤うつ伏せや頬杖をしない
うつ伏せになったり、頬杖をつくと顎に負担がかかりますので、しないように気を付けましょう。
【OCEAN歯科からのメッセージ】
顎関節症には原因と治療法に至るまで、さまざまなものがあります。
顎がとても痛くて食事ができない時などは、しばらく痛みや炎症を抑える薬を飲んでいただいた後、必要であれば寝ている時に使用するマウスピースなどを作成し、実際に使用して治療していく方法がメインになることもあります。
それぞれの症状に合わせて治療していきますので、何か顎に違和感などがある方はご相談ください。