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歯周病と糖尿病は密接に関係していることが注目されていますが、ご存じでしょうか?
糖尿病のある方は、歯周病にかかりやすく、その症状も悪化しやすいことがわかっています。また、歯周病が糖尿病の血糖値の管理を難しくする可能性があることも報告されています。この相互作用を理解し、日々のケアに活かすことが健康維持のカギとなります。
糖尿病は代表的な生活習慣病で、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動が不足していたり、喫煙やストレスなど悪い生活習慣が危険因子とされています。歯周病も生活習慣病です。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防することが全身の生活習慣病を予防することにまでつながっていくのです。
まずは歯周病と糖尿病、それぞれの病気について詳しくご説明していきます。
【歯周病とは?】
歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨に影響を与える病気です。日本の成人の多くが経験する一般的な病気で、軽い状態のものから進行したものまで幅広い症状があります。歯周病には以下の2つの段階があります。
・歯肉炎: 歯ぐきに軽い炎症が起きた状態。
・歯周炎: 炎症が進み、歯ぐきを支える骨が溶けてしまう状態。
歯周病を疑うサインには次のようなものがあります。
・歯をみがいたときに血が出る
・朝起きたときに歯ぐきに違和感がある
・口臭が気になる
・歯ぐきが下がり、歯が長く見える
・体調が悪いときに歯ぐきが腫れる
・歯がぐらつく感じがする
これらの症状がある場合は、早めに歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
【糖尿病とは?】
糖尿病は、血液中の糖(血糖値)が慢性的に高くなる病気で、主に以下の2つのタイプに分けられます。
・1型糖尿病:
主に若い世代に発症することが多く、膵臓がインスリンをほとんど、または全く作れなくなる状態です。
・2型糖尿病
中高年に多く見られ、生活習慣や遺伝的な要因が関与します。このタイプでは、インスリンの作用が低下したり、分泌量が不足したりします。
糖尿病の主な症状には、喉の渇き、頻尿、体重減少、疲れやすさなどがありますが、初期の段階では自覚症状がない場合も多く、知らないうちに進行していることがあります。
糖尿病を放置すると、心臓病や腎臓病、神経障害、失明の原因になるほか、歯周病にもかかりやすくなります。そのため、早期発見と適切な管理が重要です。
【糖尿病が歯周病に与える影響】
糖尿病の方は、体の免疫力が低下しやすく、歯周病の原因となる細菌に対する抵抗力が弱くなります。その結果、歯周病が進行しやすく、治りにくい状態になります。また、血糖値が高い状態が続くと、歯ぐきの血管が弱くなり、炎症が起こりやすくなります。これが、糖尿病患者さんが歯周病にかかりやすい理由の一つです。
【歯周病が糖尿病に与える影響】
歯周病が進行すると、炎症を引き起こす物質が血液を通じて全身に広がります。歯周ポケットが深い場合、その表面積は手のひらほどになることもあり、そこから炎症物質が放出されます。これらの物質が、糖尿病の治療に重要なインスリンの働きを妨げ、血糖値のコントロールをさらに難しくしてしまうのです。
【歯周病治療が血糖値に与える影響】
研究によると、歯周病の治療を行うことで血糖値が改善する可能性があることがわかっています。以下は、歯周病治療の主な内容です。
①正しい歯みがきの方法を指導
毎日のケアで歯垢(プラーク)をしっかり取り除けるようになります。
②歯石や歯垢の除去(スケーリング)
歯科医院で専用の器具を使って歯周ポケット内をきれいにします。
③定期的なメンテナンス
治療後も定期的に歯科医院でチェックを受けることで、再発を防ぎます。
これらの治療により、歯ぐきの炎症が抑えられ、血糖値が安定しやすくなるとされています。ただし、すべての方に同じ効果があるわけではないため、個別の対応が必要となってきます。
【歯周病の予防とケア】
歯周病の予防には、毎日のブラッシングがとても大切です。プラークは細菌が集まったもので、これを放置すると歯石に変わり、歯周病の原因になります。正しいブラッシング方法を身につけるために、歯科医院での指導を受けましょう。
また、かかりつけの歯科医院を持ち、定期的に検診を受けることも予防の重要なポイントです。特に糖尿病の方は、年に1~2回のチェックとクリーニングを習慣化することで、歯周病のリスクを大幅に減らせます。
【歯周病を放置すると糖尿病患者に及ぶ影響】
糖尿病患者が歯周病を放置した場合、以下のような深刻なリスクがあります。
①歯周病の進行
糖尿病により免疫機能が低下していると、歯周病が急速に進行する可能性があります。これにより歯を支える骨が溶け、最悪の場合、歯を失うリスクが高まります。
②血糖コントロールの悪化
歯周病による炎症が全身に広がると、インスリンの働きを妨げる物質が生成され、血糖値の管理がさらに困難になります。この悪循環により、糖尿病の合併症リスクが高まることも報告されています。
③全身疾患のリスク増加
歯周病が引き金となり、心血管疾患や腎疾患など、他の全身疾患のリスクも増加します。特に糖尿病患者にとっては、これらのリスク管理が重要です。
歯周病を早期に発見し治療することで、これらのリスクを大幅に軽減できる可能性があります。糖尿病をお持ちの方は、歯科医院での定期検診を優先し、歯周病を放置しないよう心がけることが大切です。
【歯科に通うメリット】
歯科医院に定期的に通うことで得られるメリットは、歯周病や虫歯の予防だけではありません。以下に主な利点を挙げます。
①早期発見・早期治療
病気の兆候を早い段階で発見し、治療を開始できるため、症状が進行する前に対処できます。
②口腔内の健康維持
専門的なクリーニングや適切な指導により、清潔な口腔環境を保てます。
③全身の健康への良い影響
口腔ケアは全身の健康に直結します。特に糖尿病や心臓病など、全身疾患との関連が深い病気の予防にもつながります。
④快適な生活
口腔内のトラブルが減ることで、食事や会話を楽しむことができ、生活の質が向上します。
⑤経済的負担の軽減
予防ケアを徹底することで、大掛かりな治療の必要性を減らし、医療費を抑えることができます。
これらのメリットを最大限に活かすために、ぜひ定期的な歯科受診を習慣化しましょう。
【糖尿病患者さんが歯科治療を受ける際の注意点】
糖尿病をお持ちの方が歯科治療を受ける場合、いくつかの注意点があります。
・血糖値の確認
治療前に糖尿病の主治医と相談し、現在の血糖値の状態を把握しておきましょう。
・治療後の食事管理
治療後に食事が取りにくい場合、低血糖を防ぐために主治医と相談して薬の調整をすることが必要です。
・医師間の連携
歯科医と主治医が情報を共有することで、より安全で効果的な治療が可能になります。
【OCEAN歯科からのメッセージ】
歯周病と糖尿病は密接に関連しており、どちらか一方を放置するともう一方にも悪影響を与える可能性があります。毎日の口腔ケアをしっかり行い、歯科医院での定期的なチェックを受けることが、これらの病気を防ぐために重要です。
特に糖尿病をお持ちの方は、自分の健康状態を歯科医に伝え、適切なケアを受けるようにしましょう。こうした習慣が、口腔内だけでなく全身の健康にもつながります。専門家のサポートを受けながら、歯と全身の健康を守っていきましょう。