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人間のからだに必要な元素のひとつにフッ素があります。
フッ素は歯にも口の中の細菌にも作用する、むし歯予防に大事な役割を持っているものなのです。
<自然界のなかのフッ素>
フッ素はもともと自然界にはあちこちにある元素です。
私たちが日頃、食べているものの中にもフッ素は含まれています。
(身近にあるフッ素)
・骨や歯 微量元素として含まれる
・お茶の葉そのもの 200~400ppm
・緑茶 0.5~2ppm
・イワシの骨 395ppm
・カツオの皮 52ppm
・めざし 7~40ppm
・自然塩 2~20ppm
・海水中 1.3ppm
このように日頃飲んでいるお茶や、海産物に比較的多く含まれます。
お茶の葉そのものでなく加工したりすると濃度は減少し、また魚でも骨や皮などで濃度が高く、実際に食べる部分はフッ素の濃度がグッと下がります。
フッ素は「歯を強くするお薬」とも言われており、むし歯予防には欠かせません。
歯を強くして酸に溶けにくくすることも一つの作用ですが、溶けた成分をだ液と一緒に押し戻して歯を修復すること(再石灰化といいます)が最も期待される効果です。
この作用は、歯の周りやだ液のなかにほんのわずかなフッ素があることによっておこなわれます。
(口のなかでのフッ素のいろんな働き)
・結晶性の向上 → 歯を成熟させ、溶けにくい歯をつくります
・フルオロアパタイトの形成 → 溶けにくい歯をつくる
・脱灰の抑制 → 酸から歯を守る
・再石灰化の促進 → 溶けた歯を治す
・むし歯菌の活動抑制 → むし歯菌が酸をつくらなくする
むし歯を減らすための1日あたりのフッ素摂取量の目安は、体重1kgあたり0.05mgと言われていますが、実際に日本の子どもたちの摂取量は足りていない現状があります。
食べもの中に含まれているフッ素は、大部分がほかの物質と結合していて、歯を守るためには働きにくい状態になっています。
そこで歯みがき剤やフッ素のうがい薬などのフッ素イオン(歯に対して働きやすい形)にして、歯に直接働きかけるようにしていくのが効果的です。
アメリカやヨーロッパの多くの国では水道水や食塩など、日々口にするものや食品などにフッ素が含まれています。またフッ素のサプリメントなども市販されており、フッ素は健康の維持や増進のために欠かせない「栄養」という認識をしています。
一方、日本では、水道水へフッ素が入っていることもなく、フッ素サプリなども市販されておりません。
もしも幼稚園や学校などのフッ素入りのうがい薬やご家庭でのフッ素入りの歯みがき剤の使用、歯科医院でのフッ素の塗布をおこなっていても、通常はフッ素のとり過ぎにはなりません。
厚生労働省の研究でも
①フッ素は歯みがきのサポート役ではなく積極的な予防剤
②歯みがき剤をつけずにみがいても「むし歯」予防効果はない
③フッ素を配合した歯みがき剤は乳歯が生えてきた直後から使用する
④子ども方高齢者まで、すべてのライフステージで予防効果がある
などの考えが示されています。
日本ではほとんどの人が歯みがきをしているのではないでしょうか。
フッ素が入った歯みがき剤も普及していて、使用されている方も多いと思います。
それなのに、日本のむし歯の数はほかの先進国と比べるとまだまだ多いのです。
その原因の一つとして、歯みがき剤に含まれるフッ素の効果を活かす歯みがきの方法がうまく皆さんに伝わっていないことが挙げられます。
・年齢に合わせたフッ素の量
・フッ素が歯に作用している時間
・うがいの回数 などがあります。
むし歯予防のためには「効果的な濃度を保ちながら歯みがきをしていくこと」こそがフッ素の効果を十分に活かす重要なポイントなのです。
フッ素は歯科医院で取り扱う濃度の高いものと、ご家庭で使うフッ素が配合されたうがい薬や歯みがき剤などの濃度の低いものがあります。
濃度が高いものは年に数回の歯科医院での塗布のみですが、濃度が低いものは家庭で毎日使用できます。
口の中にほんのわずかなフッ素があることが大切ですので、定期的に歯科医院で診察を受けながら高濃度のフッ素を塗布し、ご家庭では低濃度のうがい薬や歯みがき剤を毎日使用して口の中にフッ素を供給していくことで、相乗効果が期待されます。
【歯科医院と家庭でのフッ素の配合製剤の種類と使い方】
歯科医院 | 家庭 | |
配合フッ化物 | ・APF(酸性フッ素リン酸溶液)
・NaF(フッ化ナトリウム) |
・NaF(フッ化ナトリウム)
・MFP(フルオロリン酸ナトリウム) ・SnF₂(フッ化第一スズ) |
フッ素濃度 | 9000ppmF | 1500ppmF以下 |
形状 | ゼリー状、液状 | うがい薬
歯みがき剤(ジェル、ペースト) スプレー フォーム |
使い方 | 綿、歯ブラシなどで歯面に塗布する | うがい、歯ブラシ、スプレーなどにより口の中に取り込む |
頻度 | 年に1~4回
(3ヶ月~半年ごとが理想的) |
1日2~3回 |
特徴 | ・歯の中にフッ素を取り込むことにより、フルオロアパタイトをつくる
・歯の結晶性を向上する ・生えたばかりの歯を強くする ・高濃度のため、使用できる頻度が少ない |
・脱灰の抑制と再石灰化の促進
・低濃度のため、毎日使用できる |
(子どもの年齢に応じたフッ素の取り入れ方)
お子さんの年齢に応じ、使用できるフッ素濃度は変わってきます。
また口がゆすげない小さなお子さんでも、使う量をコントロールすればより安心してご使用できます。
3歳未満の場合、フッ素濃度が500ppmのものであれば、米つぶ大くらいがいいでしょう。
100ppmのものであれば、えんどう豆大で口をゆすがないお子さんも安心して使えます。
もしフッ素配合の歯みがき剤を使わずにブラッシングする場合、直接歯にスプレーするか歯ブラシに直接スプレーするものもあります。
3~5歳の場合、500~1000ppmを歯ブラシにえんどう豆大(直径5ミリ以下)で使いましょう。口がゆすげるお子さんでも、口の中にフッ素が残るのが理想的ですので、できるだけ少ない量の水でゆすぎましょう。
6歳未満のお子さんには、1000ppmの高濃度の歯みがき剤は使用できないので注意が必要です。
お使いの歯みがき剤の種類もさまざまでしょうから、使用方法など分からないことがあればお気軽にスタッフまでお尋ねください。
どの年齢でも、新しく生えてきた歯はまだ成熟しておらず、2~3年はとてもむし歯になりやすい状態です。年齢に応じた濃度のフッ素を毎日取り入れることで、むし歯ゼロを目指しましょう。
ビタミンやサプリメントと同じように、何でも適正な量というものがあります。
偏ったビタミンだけをとることや、大量に摂取することで健康を害することもあります。
フッ素も同様で、濃度や使い方をきちんと守ることによって、効果的にお口の健康を守ることができます。
過剰に摂取してしまった場合は、急性中毒(一度に大量に摂取した場合)や慢性中毒(急性中毒は起こさないが、頻回に長期間摂取した場合)を起こすことがあります。また歯の形成期だと斑状歯という形成異常が起きます。
どれくらいの量を摂取すると中毒になるかというと、お子さんの場合、5歳程度であればフッ素のうがい薬を40人分を一度に飲んだ場合です。
このように、過量なフッ素を飲み込まない限り中毒になることはありません。
またこれだけの量を一度に飲み込むのは難しいのではないでしょうか。
何でもそうですが、適切な量と頻度を守ることは大切です。
フッ素について、不安を感じていたり、悩まれている方はお気軽にスタッフまでご相談ください。
フッ素はお口の健康にとって、とても効果的なものです。
歯科医院での塗布とご家庭で毎日取り入れていきましょう。
フッ素を上手に使い、むし歯にならない健康な口の中を維持していきましょう。