- 〒261-0012 千葉県美浜区磯辺6-8-1-102
- 043-303-5077
ブログ
Blog
ブログ
Blog
むし歯の予防方法には、歯みがきやフッ素を利用したりとさまざまな方法があります。
その中で、特に生えてきたての子どもの歯に対しておすすめの予防方法がシーラント処置と言われるものです。
シーラントとは、やわらかいプラスチック素材のシーラント材をむし歯になりやすいところに流し込んで、むし歯にならないようにする予防方法です。
歯の溝をシールする(封をする)方法なので「シーラント」と呼ばれています。
具体的には、奥歯のかみ合う溝(咬合面)にシーラント材を流し込み、特殊な光でかためて溝を埋めていきます。溝を埋めると言ってもほんのわずかな量を流し込むため、かみ合わせやお食事などの普段の生活で違和感が出ることはありません。
専門の道具や薬剤を使って、歯の溝をきれいにクリーニングしてごく少量のシーラント材を流し込むだけなので、麻酔をしたり、削ったりなどの痛みを伴うことはありません。
シーラントができるには、奥歯まですべて乳歯が生えそろっていることと、うがいができることが必要です。また、話す内容がある程度分かるくらいの年齢がいいでしょう。
実際には3歳半くらいからでしょうか。
生えてきたての歯の質はとても弱く、また溝がとても深いことが多いです。
特に奥歯は、仕上げ磨きをしていてもなかなか歯ブラシが溝の深いところまで届きにくく、むし歯になりやすい部位でもあります。
乳歯がすべて生えてきて、お子さんの発達的にも、歯科医院のスタッフとのコミュニケーションがうまく取れて、歯科に対する恐怖心などがなければ、定期検診などで徐々に歯科医院の雰囲気や器具に慣れていくことから始めていきましょう。
どんなに上手なお子さんでも、慣れない場所でいきなりシーラント処置からはじめてしまうと嫌がることが多くあります。初めて口の中に入れる器具や水に驚き、歯科に対する恐怖心を抱いてしまう原因となります。
シーラントができる年齢になる前に、少しずつ歯科医院へ慣れていきましょう。
目安としてはシーラントの練習として、3歳頃から定期的に通うのが理想的です。
また乳歯が生え変わった後の、新しく生えてきた大人の歯もシーラントをしていくのをおすすめします。
生えてきたての大人の歯は、カルシウム成分が少なく、むし歯になる危険性がとても高いのです。
このため「幼若永久歯」とも呼ばれています。
大人の歯の中でも、6歳臼歯と言われる6歳頃生えてくる永久歯は1番大きく、体重の半分を支えると言われるほど大事な歯ですが、かなり多くの人がむし歯にしてしまいます。
この6歳臼歯の溝は、目で見るよりもとても複雑で、溝が深く歯の中に入り込んでいます。
仕上げ磨きをしていても、溝の奥までしっかりと磨くことが難しいこともあります。
シーラントをしないままでは、この複雑で深い溝の中に入り込んだ汚れや細菌の塊が原因となり、簡単にむし歯を作ってしまいます。
6歳臼歯が生えてくるのは、幼稚園や保育園の年長さん、小学校1年生あたりです。
お家でのお菓子や歯みがきに注意してむし歯にならないように気をつけていても、どうしても他のお子さんと遊ぶときなど、お菓子が長時間口の中に入っていたり、むし歯になりやすい状況になってしまいます。
早めにシーラントでむし歯を予防することで、むし歯になる不安を取り除けるのではないでしょうか。
6歳臼歯が生えてきて、見落としがちなのが12歳臼歯です。
保護者の方の仕上げみがきも終わり、本人に磨かせていたらあっという間にむし歯になっているなんてことも多くあります。
この歯が12歳頃生えてくる頃には、本人は習い事だったり部活などで忙しく、また保護者の言うことを聞かない反抗期に入っているかもしれません。口の中の状態も、保護者の方はあまり把握できていない可能性もあります。
部活などで飲むスポーツ飲料や完食などで食べるものが長時間口の中に残り、あっという間にむし歯を作ってしまいます。
ぜひ12歳臼歯もシーラントでむし歯予防をしていきましょう。
シーラントはすぐには取れませんが、数年したら取れてしまうこともあります。
それでも大丈夫です。
シーラントの目的は、1番むし歯になりやすい時期を乗り越えることです。
歯の表面を覆うエナメル質という部分にカルシウム成分が増えて、むし歯になりにくくなる時期まで子どもの歯を守るためのものであり、むし歯の治療後のようにずっと形が変わらずあるものではありません。
ただ、シーラントをしたからといって甘いものやジュースが長時間お口の中にあるような状態だとシーラントが取れやすくなってしまいますし、むし歯にもなります。
絶対的にむし歯にならないものではないことは注意しておきましょう。
シーラントは、1960年代から奥歯の溝に対するむし歯予防対策のひとつとして研究開発され、日本でも予防効果について研究がおこなわれています。
2016年ADA(アメリカ歯科医師会)では、永久歯の奥歯で80%のむし歯予防効果があるとされています。
シーラントはむし歯予防にとても有効な方法です。
ですが、シーラントでは予防できない部分もあります。
シーラントは歯の溝を埋めて、溝からむし歯になるのを防ぐものであり、その他の部位はむし歯の予防はできません。
むし歯になりやすいのは
1位 歯の咬む溝
2位 歯と歯の隣り合ったところ
3位 歯と歯ぐきの境目
ですので、シーラントをしても他の部分がむし歯になる可能性は十分にあります。
毎日の歯みがきと定期的な検診、クリーニングは必要になってきます。
①専用のブラシや薬剤で歯の溝を清掃していきます
②シーラント材を溝に流し込んでいきます
③専用の光を当て、シーラント材を固めていきます
※だ液がシーラント処置中に溝に流れ込むと、シーラントがうまくつかないため、適宜、だ液が入らないように、綿を口の中に入れたり、だ液を吸い込む掃除機のようなバキューム器具を使うことがあります。また歯の溝を水で流したりもします。
シーラント自体に年齢制限はありませんが、保険が適応されるのは6~12歳のお子さんです。
13歳以上のお子さんや健康な歯に対するむし歯の予防目的では保健は適応されません。
むし歯のない歯や永久歯が生えそろった場合などは、保健適応外となり、自費治療になります。
保健適応のうちにシーラント処置をしておきましょう。
子どもの歯がむし歯にならないようにするのは、毎日のご家庭での仕上げみがきが1番大事です。
ですが、仕上げみがきをしっかりしているつもりでも、目に見えない深いところの溝までは残念ながらきれいにみがくことはできません。
ご家庭での歯みがきに加えて、歯科医院でのシーラントによって目に見えない細かいところまでむし歯予防をしていきましょう。