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口と全身はつながっている|OCEAN歯科クリニック|美浜区磯辺の検見川浜駅より徒歩1分のOCEAN歯科クリニック

口と全身はつながっている


「口と全身がつながっている」と聞いて、「へぇ、そうなんだ」と思うことはあっても、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。なんとなく口をきれいにしていた方が、健康のためにはいいだろうなとは思っても、詳しいことを知らない方が大多数かと思います。

そこで今回は、口の中の細菌による全身への影響を考えていきたいと思います。

 

【さまざまな影響を及ぼす歯周病菌】

歯周病にかかっている歯には、歯周ポケットといわれる歯ぐきのポケットが存在します。歯ぐきが赤く腫れてブヨブヨしているその内側には歯周病菌が存在しています。

歯周病にも、主な原因菌といえるものが存在しますが、関連性が最も高い細菌が3つあり、通称はP.g菌、T.d菌、T.f菌といわれています。

・Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)

・Treponema denticola(トレポネーマ・デンティコラ)

・Tannerella forsythensis(タネレラ・フォーサイセンシス)

 

歯周病を治療せずに放置していると、歯周ポケットの内側の粘膜から、これらの歯周病菌は血管の中にまで入り込んでしまいます。歯ぐきから血管内になぜ入るのか不思議に思われるかもしれませんが、歯ぐきには毛細血管という細い血管が張りめぐらされているので、細菌は簡単に血管の中に入り込むことができるのです。

そして、いったん血管の中に入り込んだ歯周病菌は、全身をかけめぐってしまいます。口の中から腕や足、心臓にまで到達します。

元気なときは、血管の中に入った歯周病菌は免疫の力で排除されるので、それほど心配はありません。しかし、風邪をひいたり抵抗力が下がってしまうと、免疫の力でも排除しきれないときがあります。また、歯周病菌の死骸が持っている内毒素という毒素は残って、悪影響を及ぼすことがあります。

このような結果、からだのさまざまな部分で病気を誘発してしまいます。

 

【心臓病と歯周病】

心臓外科の先生が「急性心筋梗塞で運びこまれてくる人たちを見ていると、かなり重度の歯周病の人が少なくないという印象を受ける」ということを言われていました。

心筋梗塞とは、冠動脈が血栓(血液の固まり)によって詰まることで、心臓に血液が送られなくなり、心筋が壊死する病気で、治療が遅れると死に至る恐ろしい病気です。

実際に、重度の歯周病にかかっていると心筋梗塞のリスクが高まるという研究発表が報告されています。死後に解剖した結果、心臓の血管内から本来あるはずのない歯周病菌が発見され、歯周病が原因の心筋梗塞が見つかったケースもあります。

心臓の病気と歯周病は一見まったく関係がないように思えますが、歯周病が進行することで歯周病菌の一部が口の中から血液中に入りこむと、血管の壁を傷つけたり、血小板に異常を来して血栓ができやすくなったりすることがわかっています。

むし歯や歯周病などのお口のトラブルは、全身の健康にも大きな影響を及ぼし、命取りになることもあるのです。心筋梗塞の予防のためにも、日頃の口腔ケアの重要性がよく分かると思います。

 

【糖尿病と歯周病】

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。

実際に、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎などの歯周の病気にかかっている人が多いという研究データが出ています。

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。

血管に入った細菌は体の免疫の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残って血糖値に悪い影響を及ぼします。血液中の内毒素は、さまざまなところに作用して、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。

 

【妊娠と歯周病】

慢性的な歯周病によって、歯周病菌などが血管の中に入り、子宮の収縮を早めることで早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています。

妊娠中は女性ホルモンの関係で歯肉炎になりやすいと言われています。また、つわりなどで口腔内の衛生状態が悪くなりやすく、特に注意が必要です。

【全身の健康に歯科ができること】

歯肉の炎症が全身に多くの影響を及ぼすことは昨今の研究で明らかになってきています。

歯周病は上記の疾患以外にも、骨粗しょう症、肺炎などの疾患や肥満などの生活習慣病との関わりが分かってきています。

歯周病は歯ぐきから血がでたり、歯がぐらぐらしたりと口の中だけの病気でなく、口の中だけでなく、全身の健康に影響を及ぼしています。歯周病の予防や早期治療は全身の健康のためにも、とても大切なのです。

毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯周病の原因菌は歯ぐきから血管に侵入し、血管内で炎症が起こることで全身の病気を悪化させてしまいます。からだ全体の健康を守るためにも口の中の健康は重要です。

また、歯を失って、自分の歯でかむことができなくなると認知症のリスクが高まります。年齢を重ねても自分の歯を保てるように歯と口の健康を大事にしていく必要があります。

歯の健康を守るためには、まずは毎日の口の中のケアであり、むし歯や歯周病の原因となるプラーク(歯垢)を除去することです。さらに定期的に歯科検診を受けて、歯科医院でケアを受けること大切です。

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