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成分から考える「むし歯によく効く歯みがき粉」|OCEAN歯科クリニック|美浜区磯辺の検見川浜駅より徒歩1分のOCEAN歯科クリニック

成分から考える「むし歯によく効く歯みがき粉」


口の中には数百種類もの菌が常に住み着いていますが、むし歯もその口の中の細菌によって起きるものです。むし歯の予防のために、菌をすべて殺すことは不可能ですが、薬剤によって殺菌すれば、少なくとも一定の時間、菌の増殖を抑えることは可能です。そのため、歯みがき粉にはさまざまな種類の殺菌剤が含まれています。

むし歯の原因となる細菌は口の中のどこにでも存在しますが、口の中やだ液の中に存在するもの以外にバイオフィルムと呼ばれる歯の表面に作る防御壁を作って、その中で増え続けるものの方が問題となります。バイオフィルムは一種のバリアとなってしまうので、外部からの薬物などを跳ね返してしまいます。薬物などによっては溶けませんし、抗生物質などもその中には入れず、効果の期待できる殺菌などの薬剤はわずかしかありません。

殺菌剤のなかには、バイオフィルムの中に浸透して、その内部の細菌を殺菌できるものと、バイオフィルムの中には浸透できず、もっぱら歯や歯ぐきの表面の細菌を殺菌するものとがあります。

 

【歯みがき粉に含まれる殺菌剤】

①イオン系

・塩化セチルピリジウム(CPC)

・塩化ベンゼトニウム(BTC)

・塩化ベンザルコニウム(BKC)

・クロルヘキシジン

・ラウロイルカルシンナトリウム(LSS)

②非イオン系

・チモール

・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)

・トリクロサン(TC)

※このなかでチモールはバイオフィルムに浸透します。

イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、トリクロサン(TC)はバイオフィルムにある程度浸透します。

【むし歯予防のため】

むし歯を予防するためには、むし歯の原因菌であるミュータンス菌を殺して、荒れた歯の表面を正常に近い状態に戻してくれる薬剤が入っているものが効果的です。むし歯予防と聞いて、みなさんが思い浮かべるの薬効成分はフッ化物(フッ素)でしょうか。

「歯を強くする」などの効果でよく知られていますが、今では日本で販売されている歯みがき粉の90パーセントにフッ化物が含まれています。そのほかに含まれる薬効成分についてもご説明していきます。

(殺菌剤)

殺菌剤によってむし歯の原因菌を抑えることができれば、より予防効果ができます。口の中にある細菌に対して効果を発揮するものは以下のものです。

・塩化セチルピリジウム(CPC)

・塩化ベンゼトニウム(BTC)

・クロルヘキシジン

バイオフィルムの菌に効くものはこちらです。

※バイオフィルムが少ない場合や、歯科医院での定期的なメンテナンスによってきちんと除去されている場合は、必ずしもこれらが含まれていなくてもいいかもしれません。

・チモール

・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)

・トリクロサン(TC)

(歯質を強くするもの)

歯の表面を強くするためにはフッ化物(フッ素)が含まれているものがおすすめです。

フッ化物の濃度は年齢によって最適な濃度は異なりますので、年齢に応じたものを選びましょう。成人の場合は500ppm以上、できれば900ppm以上くらいのものが望ましいでしょう。

フッ化ナトリウム(NaF)は即効性があり、特に歯の表層部分に対して酸によって溶けるのを防いでくれます。一方で、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)は深部まで浸透して、酸に対して歯を強くしてくれます。

※これらの効果が低くならないために注意点があります。

フッ化物入りの歯磨き粉で歯をみがいたときは、まず口の中にある歯みがき粉を吐き出して、大さじ1杯くらいの水で5秒ほど軽くうがいをしましょう。口の中に残ったフッ化物が効果を発揮します。

(歯垢分解剤)

デキストラナーゼという成分は、歯垢(プラーク)を作るデキストランというものを分解してくれる酵素です。

(歯の表面の再石灰化を促進する)

酸によって、歯の表面からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出すことを「脱灰」といいます。むし歯はこの脱灰から始まります。

しかし、脱灰が起きたからといって、すぐにむし歯になるわけではありません。口の中にはだ液があり、だ液は、溶け出したカルシウムイオンやリン酸イオンを、再び歯に戻して結晶化し、修復する働きがあるからです。これを「再石灰化」といいます。

脱灰の量が少ない初期のむし歯は、再石灰化によって治すことができます。
ですので、再石灰化を促進してくれる成分もむし歯の予防に役立ちます。
還元パラチノースや薬用ハイドロキシアパタイトは、フッ素によって歯の表面が再石灰化するのを促進する効果があります。

【歯みがき粉のほかに効果的なもの】

むし歯予防に効果のある歯みがき粉を使用しての歯みがきに加えて、「洗口液」を併用すると、より高いむし歯の予防効果が期待できます。特に、乳幼児から成人までのあいだは、フッ化物による洗口がおすすめです。(うがいができないときはフォームといって、泡状のものもあります)。

成人以降ではこれに加えて、殺菌剤の入った洗口液もおすすめです。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯みがき粉にはいろんな有効成分が含まれています。

しかし忘れてはいけないのは、歯をきちんとみがくことが最も大事だということです。

ブラッシング時の力加減や角度などが正しく守れていて、口の中のプラークを低いレベルを保つため適切な歯みがきが大事です。

歯みがき粉をつけて口の中で歯ブラシを動かして、なんとなく磨いたつもりになるとせっかくの有効成分も台無しです。歯みがき粉には優れた機能があって、殺菌効果や歯質の強化などブラッシングだけでは達成できない効果が期待されています。 それぞれの口の中に必要な成分をきちんと理解して取り入れることで、歯みがき粉はブラッシングに相乗効果を与える有効なアイテムになります。

適切な歯みがきを身につけた上で、必要な歯みがき粉を使ってむし歯を予防していきましょう。

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