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細菌以外の原因で歯がだめになる? ~咬耗症について~|OCEAN歯科クリニック|美浜区磯辺の検見川浜駅より徒歩1分のOCEAN歯科クリニック

細菌以外の原因で歯がだめになる? ~咬耗症について~


むし歯や歯周病が口の中の細菌によって歯をダメにしてしまうことはみなさんよくご存知のことかと思います。では、細菌以外のものによって歯がもろくなったり、傷んでしまうことがあるのをご存知でしょうか?

むし歯、歯周病につづく歯科疾患として知られるのがtooth wear。初めて聞かれる方も多いのではないでしょうか。

聞きなれない言葉だと思いますが、歯科の用語で、口の中の細菌が原因ではないのに、歯が溶けたりかけたりする病状のことを意味します。

 Tooth Wearは大きく4つに分類されます。

・咬耗症(こうもうしょう)

・磨耗症(まもうしょう)

・酸蝕症(さんしょくしょう)

・アブフラクション

これは、生活習慣・口腔習癖によって引き起こされる歯の病気と言えるかもしれません。

今回はこのTooth Wearの中でも、咬耗症についてご説明していきたいと思います。

 

【咬耗症ってどんなもの?】

通常、食事をするをときには、上の歯と下の歯は接触してかみ合うことによって、食べ物をかみ砕きすり潰しています。そしてそれが、体内に運ばれ、栄養となります。

この時、上の歯と下の歯はほんの少しずつですが削れていっています。実際に生えたての歯というのは尖っているのに、使っているうちに丸っぽくなめらかになていくものです。生えたてのお子さんの歯を見ると、想像しているよりも鋭利な部分もあるのが特徴的です。

咬耗自体は、誰にでも起こっているものであり、特別珍しいことではありません。使っているうちに道具の形が変わっていくことに似ています。

毎日の食事によって少しずつ歯への負担は増加していきますが、他に悪い口腔習癖や歯への負担となる食生活などによりさらに歯が削れてしまいます。

これが病的に現れたものが咬耗症です。

 

【咬耗症の原因は?】

咬耗症の原因としてはさまざまなものがあります。

①歯ぎしりやかみしめ

寝ている間の「歯ぎしり・かみしめ」を無意識のうちにやってしまっている方もいるのではないでしょうか?起きたら顎がなんだかだるかったり、痛いこともあるかもしれません。

また「食いしばり」も歯には強い力がかかっています。特に寝ている間というのは、起きているときよりも更に強い咬合力がかかっているというデータもあります。このような習癖がある人は気をつけなければなりません。

②食習慣

・硬い物をかむのが好き

硬いものをかむのは悪いことではありません。しかし、その頻度が問題です。
過度に氷やするめなどの硬いものを好んで食べていると、時に歯がすり減るだけでなく欠けてしまうこともあります。

・咀嚼(そしゃく:食べ物を噛む動作)時間
丸呑みせず、しっかりとかむことは大事です。

ただ、咀嚼時間が過度に長いとそれだけ、歯に負担がかかり歯がすり減ってしまう可能性はあります。適度にかむことを意識してください。

 

【咬耗症をさらに悪化させる増悪因子】

①歯並び

歯並びやかみ合わせが悪く理想的な位置に歯が並んでいない場合、上の歯と下の歯の噛み合わせが、どうしても強くぶつかり合ってしまったり強く擦れてしまう事があります。そうすると、その歯の強く当たっている所だけが過度に削れて形が変わってしまいます。

変に歯がすり減っていたり、形が変わっているところがあるときは要注意です。

②被せものや詰めもの

クラウン(被せもの)やインレー(詰めもの)が歯よりも硬い素材のものだと、かみ合う相手の歯はその硬さに負けて少しずつすり減っていきます。

【咬耗症の症状】

咬耗症は、気づかないうちに日々の積み重ねによってジワジワと歯が削れていきます。

実際にどのような症状が起こるのでしょうか。

①歯の形が変わっていく

上の歯と下の歯がかみ合っている部分が異常に削れてしまっている場合などは、咬耗症と診断されます。少しずつの変化は気づきにくいかもしれませんが、もともとの歯の形から大きく変わってしまっている場合などはご自身が目で見て分かるでしょう。

②知覚過敏

ご自身で一番分かる症状としては「知覚過敏」です。

これは、歯の表面を覆っている硬いエナメル質というものが、徐々に削れていくことによるものです。エナメル質がすり減って無くなってしまうと、エナメル質の下にある象牙質が表面にむき出しの状態になります。象牙質には、神経へと続く象牙細管(ぞうげさいかん)という細い管があるので、象牙質がむき出しになると痛みを感じるようになります。

これによって、冷たいものなどがしみる知覚過敏になるのです。

 

【咬耗症の治療】

治療法は、患者さんの症状の進行具合や原因によってそれぞれ異なります。

①食生活・生活習慣について

まずはご自身の食生活・生活習慣をお聞きして、咬耗症となっている原因をできるだけ取り除くことから始めます。まずはご自身が「なぜ咬耗症になったのか?」を自覚することが重要です。そして、日常生活においてできるだけ歯への負担をかけないようにしていきましょう。

②寝る時にマウスピースを使用する

寝る時の歯ぎしりや食いしばりが強いことにより咬耗症が起こっている場合には、少しでも歯がすり減ってしまうのを防止するためにマスウピースを作成し、寝るときに使用してもらいます。

このマウスピースは歯形を採ることにより、一人一人オリジナルのマウスピースを作ります。これは歯科医院でしか作ることはできません。

保険で作成することはできますが、マウスピースを失くしてしまったり壊してしまっても、一度作ると最低半年間は作り直すことができませんので気をつけましょう。

③矯正治療を行う

かみ合わせや歯並びが悪いことによって起こっている咬耗症には、それを解消するために歯科矯正が必要になります。

④知覚過敏の治療

冷たいものがしみる知覚過敏には、その状態によって治療法はさまざまですが、薬剤を塗布する方法やプラスチックの材料などを使って削れているところを覆う治療を行う方法があります。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

ただ歯がすり減ってきたからと放置していると、知覚過敏などの症状が出たり、気づかないうちに症状が進行していることもあります。もしも変だなと思うことや痛みなどの症状が出た場合は、すぐにご相談ください。

また定期的なメンテナンスを続けていくことで、少しずつの変化に歯科医院のスタッフも気づくことができ、その都度適切な指導をすることが可能になります。

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